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特集

ビッグデータがCMOとCIOの協力体制をつくる

  1. 1ページ目 ビッグデータと部門を超えたコラボレーションの重要性
  2. 2ページ目 部門間の「縦割り志向」を打ち破る
  3. 3ページ目 2部門で1つのゴールを共有
  4. 4ページ目 CMOとCIO協力体制のベスト・プラクティス

2部門で1つのゴールを共有

CIOとCMOは、常に完璧な同調を求められるわけではなく、その必要もない。しかし、NASA Federal Credit Union(NASA FCU)でマーケティング担当バイス・プレジデントを務めるMatt Kaudy氏は、企業全体に協力意識が必要だと語る。

NASA FCUは、NASAの前身NACA(National Advisory Committee for Aeronautics/国家航空宇宙諮問委員会)の職員に金融サービスを提供するための組織として設立され、その後、あらゆる消費者を対象にした総合金融機関へと成長した。Kaudy氏は、1969年の月面着陸を可能にしたNASAの協力精神が、FCUにも息づいていると語る。「CEOをはじめ、FCU全体の組織文化は、非常に協力的です。技術部門のサポートや、彼らが提供するデータなしには、マーケティング戦略の成功は実現しません。それらがあってはじめて、私たちは消費者に最適な商品を提供できるのです」(Kaudy氏)。

NASA FCU技術担当バイス・プレジデント、Tim Burch氏も同意見だ。「幸いにも、FCUではこれまで、マーケティング部門と技術部門の間であまり大きな問題が持ち上がったことがありません。その理由のひとつは、各部門が組織内で互いに独立することなく、ゴールを共有し続けてきたからです。目標の達成方法については、常に意見が合うわけではありません。しかし私たちは、目標達成のためには他の部門との協力を惜しみません」(Burch氏)現在、FCUの多くの顧客は、直接支店を訪れることなく、携帯電話やモバイルデバイスを通じて取引を行うようになった。一方で、Burch氏によれば、顧客同士の情報のやり取りは活発になった。このような背景が、マーケティングとITの協力を後押ししているという。

「普段からの会話に加えて、FCUのマーケティング部門とIT部門は、月単位でミーティングを開き、翌月の見通しについて話し合う場を設けています。ひとつの部門が取り組むプロジェクトが他部門の業務に影響を与えるとは限りません。しかしミーティングでは、お互いの取り組む内容について、少なくとも情報を公開するようにしています。そのようなプロジェクトが、他の部門の業務を完全に変えてしまう可能性もあるからです」(Burch氏)。同氏によれば、マーケティング部門とIT部門が連携を維持するもうひとつのカギは、両部門が互いに何を目指しているのかについて説明する時間を取ることだという。多くの企業は、迅速に業務を進めようとするあまり、このような地道なステップをよく見過ごしてしまう。

「私たちはマーケティングの視点から、顧客の獲得につながる要素や、設定した目標をもとに取り組んでいる業務内容を整理しています。技術部門はこの方法で、セキュリティ以外の視点からデータを把握し、その後にマーケティング部門との間で妥協点を話し合います。そうして、互いのリソースから生じる課題や、データ・セキュリティの視点から見た場合の課題について、理解を深めるのです」(Burch氏)

最終的に、ITとマーケティングの連携実現には、常時の協力が求められないような状況でも、両者が共通のゴールを目指して積極的に取り組む姿勢が必要だ。データ・ウェアハウスに十分な量のデータが集約され、それらを活用して顧客の行動を予測できる手段があれば、あらゆる関係者は、その先のビジネスを想像してわくわくするだろう。

「IT部門の仕事は、このようなデータをすべて集約し、透明性が高く、企業の目的に応じて活用可能な形にすることです」とBentley大のCross教授は語る。「今日のマーケティング部門は、大規模なパーティーや撮影会、ブランドイベント開催してきた従来の役割から抜け出さなければなりません。マーケティング部門はいま、顧客の行動予測を通じて、各製品がどの目標を達成し、どのような性質の顧客を引き付けるか明らかにできます。それらを通じて製品に対する自信を引き上げられることが、マーケティングの魅力なのです」(Cross教授)。

CMOとCIO協力体制のベスト・プラクティス

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